掲載日 2024.11.27
2023年4月から、法定雇用率が引き上げられ、今後も段階的に引き上げられるため障害者雇用への関心が高まっている企業が増えています。
とはいえ、適切な法規制の理解や採用方法など、障害者雇用のノウハウがわからないという不安はありませんか。
本記事では、令和6年度の「障害者白書」に基づき、障害者の派遣雇用から直接雇用について解説します。
障害のない人に比べて、障害者は離職率が高い傾向にありますが、適切な対応や職場環境を整備して定着率が向上した成功事例もあります。
本章では、障害者雇用でのミスマッチを防ぐ「紹介予定派遣制度」から直接雇用に向けた準備について紹介します。
紹介予定派遣制度は、6ヶ月の派遣期間後に企業と障害者が双方合意のもと、直接雇用への移行を目指す制度です。
6ヶ月の派遣期間を通じて、障害者は職場の雰囲気や業務内容を実際に経験し、自分に合っているか判断できます。
そのため、入社後早期に離職するリスクを軽減できるというメリットがあります。
企業にとっても、障害者雇用における課題を事前に把握し、改善につなげられる点が大きなメリットです。
このように、紹介予定派遣制度は、企業と障害者の双方にとって、直接雇用への円滑な移行を促す有効な手段といえるでしょう。
企業内だけでは、障害者の特性に合わせた仕事や配置の検討ができません。
そこで、外部機関であるハローワークや地域障害者職業センターと連携することで、より働きやすい職場環境づくりができます。
これらの機関は、以下のようなサポートを提供しています。
ハローワーク | ・障害者雇用専門の相談窓口 ・職場定着支援や雇用管理の助言 ・事業主向けセミナー開催 ・障害者雇用企業の見学会 |
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地域障害者職業センター | ・障害者雇用の相談支援 ・事業主支援計画の策定 ・「ジョブコーチ」による派遣支援 |
特に「ジョブコーチによる派遣支援」は障害者本人へのサポートだけでなく、職場環境の改善や適切な支援方法のアドバイスを受けられるため、企業に合わせた業務改善や従業員の意識改革に効果的です。
障害者雇用において、派遣から直接雇用への移行を成功させるために、以下の3つのステップを計画的に遂行しましょう。
● 企業の現状把握
● 目標設定
● 行動計画の作成
本章で、それぞれ解説します。
障害者雇用の成功にむけて、現状を把握し、雇用体制を見直しましょう。
例えば、障害者の特性に合わせたサポートや業務の見直し、勤務期間が短い場合の原因特定などを行い、障害者にとって働きやすい職場環境か検討します。
また、派遣雇用している障害者から、直接フィードバックを受ける方法もあります。
現状把握から見えた課題に対して、具体的かつ達成可能な目標を設定します。
例えば、障害者本人や従業員などで以下について検討してください
● 派遣社員の特性を活かした業務か
● 必要な設備の決定
● 通勤困難者のためテレワーク検討
● 社員教育のため企業内研修開催
企業全体で目標設定を行い、社員一丸となって取り組んでいきましょう。
直接雇用への移行には、以下のプロセスが必要です。
● 採用
● 研修
● 職場適応
● 契約締結
全体的な行動計画を立てると、各段階で入念な対策が可能になります。
また、障害者雇用では、全体を取りまとめるチームや担当者を割り当てるといった協力が必要です。
行動計画を元に、定期的な進捗会議を行い、必要時に修正が行えるように対策しましょう。
障害者雇用における派遣と直接雇用には、以下の違いがあります。
派遣 | 直接雇用 | |
---|---|---|
雇用期間 | 短期的な人材活用 | 長期雇用 |
福利厚生 | 派遣会社が管理 | 企業が管理 |
企業の負担 | 少ない | 多い |
雇用率算定 | 派遣会社に算定 | 企業に算定 |
特徴 | ・時期や業務量によって人員調整できる ・就業者が変わるたび環境整備が必要 |
・長期的なキャリア形成 ・障害者雇用のノウハウ蓄積 ・業務効率化や生産性向上 |
派遣は、時期や人員不足などの短期的な人員調整に効果的ですが、直接雇用に切り替えることで障害者雇用の取り組みが評価され、社会貢献にもつながります。
ディンプルでは、通勤が困難な方やオフィス勤務に制約がある方にコワーキングスペースを活用した雇用・定着支援サービスを展開しています。
具体的には、企業が障害者の方を直接雇用し、業務内容を明確化した上で、ディンプルが運営するコワーキングスペースで勤務する形です。
専門のスタッフが日々の業務サポートやメンタル面での支援を行うほか、障害者雇用に関するノウハウを企業と共有し、業務設計や採用支援などをトータルでサポートしています。
私たちと共に、障害者の方々が安心して働ける環境づくりを実現しましょう。