掲載日 2024.04.14
障害者雇用枠で就職活動をしようとした際に、書類審査が通ると次に避けて通れないのが面接です。
特に障害者雇用枠の面接では、一般の質問に加えて障害についても説明する必要があります。事前準備をきちんとして障害者雇用枠の面接に備えることが就職活動を成功させるために必要です。
しかし、面接官の前で、「障害についてどう伝えれば良いのか」
「うまく説明ができるか」
「不利になってしまわないか」など、
不安を持っている方は少なくありません。
そこで、この記事では、
障害者雇用枠の面接の特徴
障害者雇用枠の面接で聞かれる質問&回答例10選
障害者雇用枠の面接を成功させる5つのコツ
障害者雇用枠の面接対策方法
障害者雇用枠の面接で、面接官(採用担当者)が見ていることは何か
について解説していきます。
就職活動中で、面接の準備をお考えの方はぜひ参考にしてください。
障害者雇用枠の面接は、独自の質問が増えるという特徴があります。
企業はこれから一緒に働く仲間として、応募者の詳しい情報を知りたがっています。
ほとんどの面接で聞かれる質問は、「自身の障害について詳しく教えてください」という内容です。
これは業務上、どういった配慮が必要なのかを企業が知っておきたいためです。
できることとできないことを客観的な視点で伝える必要があります。
自己分析を行い、障害についても整理しておきましょう。
企業にもよりますが、面接は2回行われることが一般的です。
1次面接では、採用担当者により人柄や希望条件について確認があります。
2次面接では、役員や幹部、配属先の最高責任者から、具体的なスキルや仕事への意欲、
業務内容の説明があります。
どちらの場合も障害状況の確認は必ずありますので、しっかりと準備しておきましょう。
今回は障害者雇用枠の面接でよく聞かれる質問を10個ピックアップし、回答例とあわせて紹介します。
一般雇用枠と障害者雇用枠にかかわらず、面接でよく実施される質問です。
簡単に名前や性格、前職や今までの就労移行支援での経験を伝える程度にしましょう。個人についての詳しい質問は、後ほど答える機会がある場合が多いです。
1〜3分程度と時間に制限を設けられる場合もあります。
回答例)
本日は、貴重な機会をいただきましてありがとうございます。
名前は〇〇と申します。
現在までは就労移行支援施設で電話や来客への対応の仕方、パソコン検定の取得などに取り組んで参りました。
なんでも前向きに物事を捉える性格で、周りからはよくニコニコしていて親しみやすいと言われています。
事務作業と来客対応など、自分の経験や雰囲気が活かせると思い御社に応募しました。
本日はどうぞよろしくお願いします。
前職の退職理由は、採用担当者が気にするポイントのひとつです。
入社してもすぐに辞めてしまわないかを心配しているためです。
とくに体調のことや退職理由を人のせいにしていないか、現在は退職理由を克服できているかなどが見られます。
転職回数に合わせてそれぞれ答えられるようにしておきましょう。
回答例)
通勤に1時間以上かかることが体の負担となり、持病の症状が悪化してしまいました。
20分以内の通勤なら、普段の買い物などで対応できているため問題ありません。
薬の服用の頻度や副作用についてもよく聞かれる質問です。
企業は、服薬のために定期的に時間を確保する必要があるのか。副作用が起こった場合にすばやく対処できる体制が整えられるのかといったポイントを気にしています。
長く安定して働き続けるために、最初に企業と共有しておく必要があるため、
正確に伝えましょう。
回答例)
薬は朝昼晩、食後に服用していますので、勤務中の服薬は昼食後に1回です。
体調により、副作用で急激な眠気を覚える場合があります。症状が出た場合は、30分程度睡眠を取るために追加の休憩時間をいただけると幸いです。
一般的に障害を抱えていることで、ストレスを感じやすいといわれます。
採用担当者は、応募者がどんなことでストレスを感じて、どのように対処しているのかを知りたいと思っています。
回答例)
自分のミスで周りに迷惑がかかることが一番ストレスです。
書類の締切の期日を勘違いして提出が遅れ、相手を待たせてしまいました。
締切日をただ頭で覚えているだけだったので、それからはいつも見るスマートフォンのカレンダーに内容と締切日を入力し、さらに事前にアラームが鳴るよう設定しました。
企業は、障害者を受け入れる際にどのようなサポートが必要かを知っておきたいです。
障害者を受け入れたことのない企業であっても、分かりやすく伝えておきましょう。
すぐにできそうなことは新たに対応してもらえる場合があります。
回答例)
特性上、書類の誤字脱字などのケアレスミスをしやすい傾向があります。
自分でダブルチェックや読み上げて確認するなどの対処をしているため完成までに時間がかかります。
納期のある業務の場合は、早めにお知らせいただけると幸いです。
募集職種に適しているか、企業側がどんな準備をすればよいのかを知るために聞かれます。
自身の障害について、自己理解ができているかの確認の意味でも説明を求められます。
回答例)
障害の種類は「肢体不自由」で、身体障害者手帳〇級を取得しています。
下肢に麻痺があり、車椅子の必要はありませんが歩くのが遅く、杖が必要です。
椅子からの立ち上がりや階段の上り下りに時間がかかります。
定期検査のため3ヶ月に一度通院しています。
一般雇用枠と障害者雇用枠にかかわらず、必ず聞かれる質問です。
業界全体や他社のことも調べた上で、どのような理由でこの企業を選び、どの程度働きたいと思っているのかを明確に伝える必要があります。
回答例)
御社の〇〇という製品を以前から愛用しており、その開発に自分のスキルがお役に立てるのではないかと考えました。
長く働いてステップアップしたいという思いを持っており、御社のメンター制度と半年ごとの評価制度があるところに魅力を感じました。
仕事に関して「できること」と「できないこと」を理解し、自分を客観視できているかが見られています。
特に苦手なことは、業務への適性の有無や、企業側が必要な配慮を判断するために重要です。
回答例)
特性上、突発的に発生したことに対して焦りを感じ、ミスが起きやすいです。
作業の手順を整理する時間をいただけますと、落ち着きます。
その後は持ち前の集中力の高さでスムーズに進めることが可能です。
障害者雇用枠では残業は配慮してもらえることが多いです。しかし、職種や業務内容によっては残業が発生することも度々あります。
無理をする必要はありませんが、伝え方を工夫します。
回答例)
・主治医からは残業は控えるように言われており、なるべくご配慮いただけると幸いです。
・できれば5日前など早めに伝えていただくことで、通院のスケジュールを変更して対応可能です。
面接の最後に聞かれることが多い質問です。
質問の内容から、志望度や働く意欲、人柄やコミュニケーション能力などを再度確認したいと思っています。
「特にありません」は避け、最低でも1〜2つは準備しておきましょう。
企業との間にミスマッチが起きないための質問や、仕事に貢献するためなどの前向きな質問がおすすめです。
回答例)
・業務を早く覚えるために、メモを取りながら業務をさせていただくことは可能でしょうか。
・入社までにやっておいた方がいいことはありますか。
・御社で活躍している人に、何か共通点はありますか。
障害者雇用枠の面接を成功させる5つのコツを
「自身の自己理解を深める」
「相手に正しく伝えていく」
ということを踏まえて詳しく解説していきます。
徹底した面接の準備を実施しておくと、当日も安心できます。
履歴書に書いたことと矛盾しないよう、自己理解や障害の状況を書面に起こすのもおすすめです。
書くことで整然と理解が進み、自分の言葉で一貫した内容を伝えられるようになります。
面接が2回ある場合は、面接の担当者と内容に合わせて想定される質問と回答を幅広く準備します。
例えば1次面接では、自己紹介や志望動機、自身の障害や前職の退職理由などについてまとめておきます。
2次面接では、自分の長所や短所、なぜその企業で働きたいのか、入社してから何をしてその後どうなっていたいのかなどをまとめておきます。
頭でイメージするだけでなく、実際に声に出して受け答えの練習をしてみましょう。
できれば誰かに面接官役をお願いして、
・正しい敬語を使えているか
・一方的に話していないか
・面接官と目を合わせているか
などの確認をしてもらうと良いでしょう。
障害のネガティブなことも正直に伝えてしまうと、「採用に不利になるのでは」と不安になるかもしれません。
しかし、企業は一緒に働くにあたって、業務上必要な配慮は何かを判断することができます。
障害者雇用では、症状に波がある、苦手なことや企業に配慮をお願いしたいことなどのネガティブな内容もしっかり伝えるべき内容として捉えます。
お互いのミスマッチをなくすために、相手に分かりやすく具体的に伝えましょう。
「どのように対策できるか」「どのような工夫をしていきたいか」といった前向きな姿勢を一緒に伝えることで、「障害とうまく付き合えている」「安定した状態を維持できている」といった評価につながることもあります。
面接で緊張するのは誰でも当然のことです。
自分だけが緊張しているわけではないという意識を持ちましょう。
想定される質問と回答をたくさん用意し、事前準備を整えます。
想定どおりに面接が進む可能性が高くなり、安心して挑めるでしょう。
過去の成功体験を思い出し、「自分はできる」という感覚を持って胸を張って面接に挑んでください。
それでも緊張してしまったときは、失敗しても大丈夫だと考えます。
失敗できないと思い詰めてしまうとより緊張が高まります。
「なんとかなる」と考えることで気持ちを楽にしてください。
うまく話そう、よく思われようとするよりも、誠実さや丁寧さを心がけましょう。
最後に柔軟体操や腹式呼吸をすると、緊張した体がほぐれます。
運動と呼吸で血液の巡りを良くしてリラックスすることができるでしょう。
面接で相手に好印象を持ってもらうためには、清潔感のある服装で挑むことが欠かせません。
面接時の服装はスーツが基本です。
例えば、スーツのしわや汚れ、カビやタバコの匂いがするなど、一度着用すると自分では気づきにくい点に特に気を配る必要があります。
ワイシャツも含めて、事前に洗濯やクリーニングをしておきましょう。
また、髪型は、寝癖やフケがついていないか、鏡を見てチェックしてください。
靴は、男性の場合はレザーのビジネスシューズにしましょう。
女性の場合はシンプルな黒系のパンプスがおすすめです。汚れは取って磨いておきましょう。
カバンはA4サイズの書類が入るビジネスバッグが良いです。表面にブランドロゴや柄の目立つもの、トートバッグやリュックは避けた方が無難です。
また、男性は髭の剃り残し、女性はビジネスシーンにあったメイクを心掛けましょう。
面接では、話す内容だけでなく、表情や仕草などの雰囲気も見られています。
特に面接官と目を合わせて話をすることで、熱意や自信が伝わり、発言に説得力を持たせることも可能です。
目線は常に面接官の方を見るようにしますが、凝視しすぎると怖い表情になってしまうので、リラックスして穏やかな目線を向け、笑顔で受け答えするようにしましょう。
普段のコミュニケーションでも適度に目線を外すことはあるため、目線を合わせ続けて圧迫感を与えないようにします。
目線を合わせるのが苦手な場合は、相手の眉間や鼻のあたりを見るようにしましょう。
障害者雇用枠の面接の対策方法では、「家族や友人に協力してもらう」ことや「転職エージェントで模擬面接を受ける」などの方法が効果的です。
「家族や友人に協力してもらう」ことで、面接官役になってもらい、相手からどう見えているかをアドバイスしてもらえます。また、最後に良かった点と悪かった点などを聞いて評価をしてもらいましょう。自分とは違った視点を得られることは、1人では得られない練習の効果です。改善点が見つかれば、次にそこを修正することを意識できます。
身近に手伝ってもらえる人がいない場合は、「転職エージェントで模擬面接を受ける」のもおすすめです。
転職エージェントでは、プロの目線でアドバイスをもらい、納得がいくまで何度も練習ができます。初めての就職活動や、今まで面接の経験がなくても安心して挑めます。
さらに障害者専門のエージェントもあり、求人情報のマッチングや履歴書の書き方のチェックなども受けられるので安心です。
障害者雇用の面接で、面接官(採用担当者)が見ていることは、質疑応答の答えだけではありません。わざわざ会う機会を設けて面接をしているのには、いくつかのチェックポイントがあるためです。
一つ目は、「身だしなみ、言葉遣い、立ち振る舞い」です。
面接官はこれらが社会人としてふさわしいかどうかを見ています。
服装や身だしなみに清潔感があり、話し方や態度に好感が持てると判断されると好印象です。
二つ目は「長く一緒に働いていける方かどうか、社風に合っているか」です。
面接は、企業にとってもこれから一緒に働く仲間を探す場でもあります。
実際に会って、仕事への意欲や、既存の従業員と協力して仕事をやっていけそうか、すぐに辞めてしまいそうにないかなどを見ています。
三つ目は「どんな仕事に適性がありそうか」です。
履歴書だけでは分からなかった過去の経験や、他者との関わり方などを聞き取り、どんな仕事に向いているのかを見極めます。
ディンプルチャレンジは、障害をお持ちの方への就職(転職)支援サービスです。
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障害者雇用
枠
の面接は、一般雇用
枠で
聞かれる質問に加えて障害者独自の質問が増えるという特徴がありました。
障害者雇用
枠
の面接で聞かれる質問&回答例10選は、実際に障害者雇用
枠
の面接の準備をする際に役に立つ内容にしています。
障害者雇用
枠
の面接を成功させる5つのコツでは、自身の自己理解を深めることと、相手に正しく伝えていくことが大切でした。
障害者雇用
枠
の面接で面接官(採用担当者)が見ていることは、履歴書などの書類だけでは分からない部分でした。
それらを踏まえ、障害者雇用
枠
の面接対策方法をしっかり行い、是非面接を成功させましょう。
自分1人ではなく、家族や友達、転職エージェントに協力をお願いすることでより採用への道へ近付くこともあります。