障がい者雇用における農園型サービスとは?注目される背景やサービスの課題 | 障がい者向け求人ディンプルチャレンジ

障がい者雇用における農園型サービスとは?注目される背景やサービスの課題

掲載日 2023.04.18

企業での障がい者雇用を促進する一つの方法として、いわゆる「農園型サービス」が注目を集めています。障がいのある従業員を雇用したい企業にとってさまざまなメリットがあるサービスですが、その実態に対して障がい者支援団体や有識者からは批判の声もあがっています。
この記事では、農園型サービスが注目されている背景や、サービスの課題について解説します。

障がい者雇用における農園型サービスとは

農園型サービスとは、障がい者を雇用したい企業に向けて、専門業者が貸農園の提供や求職者の紹介を行うものです。農園型サービスは近年増加傾向にあり、全国でおよそ800社が利用していると言われています。
農園型サービスを提供する専門業者は、働きたい障がい者を企業に紹介し、就労場所として農園を貸し出します。さらに企業から人材紹介料や農園利用料を受け取り、農園の管理や運営も担います。
障がいのある従業員は企業に直接雇用され、専門業者のサポートを受けながら農園で野菜などを栽培して給与を得るのです。

出典:共同通信社「障害者雇用『代行』急増 法定率目的、800社利用」

農園型サービスが広まった背景には、企業が抱える障がい者の採用や定着に関する課題が関係します。

  • 希望に合う人材が確保できない

    障害者雇用促進法に基づき、従業員が一定数以上の規模の企業では、従業員に占める障がい者の割合を法定雇用率以上にすることが義務付けられています。
    現在の法定雇用率は2.3%ですが、令和6年度からは段階的に引き上げられることが決定しています。
    しかし、実際に法定雇用率を達成している企業の割合は48.3%であり、半数以上の企業は法定雇用率を達成できていないのが現状です。
    法定雇用率を達成しようと障がい者雇用に力を入れる企業は増加しており、希望に合う人材を採用するのが難しくなっているのです。
  • 業務の切り出しが難しい

    とくに、はじめて障がい者を雇用する場合には、障がいの状況に応じて職務を設定したり、サポート体制を整えたりするのが難しいと感じる企業が多いようです。
    労働条件や労働環境が整っていなければ、せっかく障がいのある従業員を雇用しても職場定着は難しくなります。

法定雇用率を達成できない企業にとって、専門業者のサポートを得ながら障がい者雇用を促進できる農園型サービスは魅力的なものでしょう。

農園型サービスのメリットと課題

農園型サービスは、就労を希望する障がい者と、障がい者を雇用したい企業の双方にさまざまなメリットをもたらします。

  • 障がい者側のメリット

    農園型サービスでは、天候の影響を受けにくい屋内での作業や、危険な農機具を使用しない作業を中心に行います。業務に伴う心身の負担が少なく、専門的なスキルを必要としない業務であれば、就労へのハードルは下がるでしょう。
    また、福祉作業所などで働くよりも、高い賃金を得ることができます。
  • 企業側のメリット

    法定雇用率未達成企業では、障がい者の採用や定着に関するノウハウが不足していることが多いようです。農園型サービスを利用すれば、障がい者の採用から定着まで、専門業者の一貫したサポートが受けられます。
    また、農園での作業は内容や手順を定型化しやすく、既存の事業から新たに業務を切り出す必要がありません。障がい者を雇用するために新たな設備を導入するなど、オフィス環境の整備も不要です。

しかし一方で、農園型サービスに対しては、否定的な意見があるのも事実です。
農園型サービスを利用して障がい者を雇用する企業は、農業とは関連のない企業が大半です。
障がいのある従業員が栽培した野菜は、多くの企業で社員へ無料配布されており、市場に出回ることはほとんどありません。
障がい者支援団体や有識者からは、「働いて生み出した成果物が賃金に繋がっておらず本当の意味での『働く』とは言えない」「法定雇用率を金で買っている」といった見解がなされています。
2023年2月には障がい者雇用の在り方について検討する研究会が発足し、農園型サービスの在り方についても議論される方針です。

まとめ

障がい者雇用支援サービスの一つとして注目される農園型サービスですが、法定雇用率の達成が目的化しているといった指摘から、厚生労働省が対応策を打ち出す方針を示しています。
しかし、実際に農園で働く障がい者からは「金銭面で余裕が出てきた」「フォロー体制が整っていて働きやすい」といった声があがっているようです。
農園型サービスの在り方は今後大きく変わってくる可能性があるため、国の動向には今後も注目していく必要があるでしょう。

障がい者の雇用・定着支援について、
お気軽にご相談ください。

障がい者雇用に関するお役立ち
情報やノウハウなどを掲載。

パートナー企業様

障害のある人の移動を、もっと便利に、もっと自由に。デジタル障害者手帳「ミライロID」公開中!
どんなこどもでもこどもらしく可愛らしく過ごせるためにキッズと家族のケアについて発信。
ページトップ