障害者雇用は手帳なしでも利用できる?制度について詳しく解説! | 障がい者向け求人ディンプルチャレンジ

障害者雇用は手帳なしでも利用できる?制度について詳しく解説!

掲載日 2024.03.14

障害者雇用制度は手帳なしでも利用できるのでしょうか。

障害者雇用制度とは、従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務がある(障害者雇用促進法43条第1項)という制度です。

手帳とは地方自治体に認定を受けると発行される3種類の障害者手帳のことです。

この記事では、

  • 手帳なしでも障害者雇用は利用できるのか

  • 障害者手帳の種類と申請方法

  • 身体障害者手帳・精神障害者手帳取得のメリット

  • 障害を持つ人が選べる働き方

  • 障害者手帳なしで働く方法はあるのか

  • 働きやすい職場探しはディンプルチャレンジがおすすめ

以上の点について、解説します。

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手帳なしでも障害者雇用は利用できるのか

手帳なしでも障害者雇用は利用できるのでしょうか。

その疑問に対しての答えは「できない」です。

その理由を以下からみていきます。

 

障害者雇用とは、企業が定める「障害者雇用枠」で働くことになります。

「障害者雇用枠」とは、企業が「障害者雇用率制度」の条件を満たすために設けている一般とは別の枠です。「障害者雇用率制度」とは、以下の通りです。

 

「障害者について、一般労働者と同じ水準において常用労働者となり得る機会を確保することとし、常用労 働者の数に対する割合(障害者雇用率)を設定し、事業主に障害者雇用率達成義務等を課すことにより、そ れを保障するものである。」

引用:厚生労働省 障害者雇用率制度の概要

 

この法定雇用率にカウントされる障害者とは、以下の通りになります。

 

「《「障害者」の範囲》障害者雇用率制度の上では、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者を実雇用率の算定対象としています(短時間労働者は原則0.5人カウント)。」

引用:厚生労働省 事業主の方へ 障害者雇用のルール 1.障害者雇用率制度

 

障害者手帳の種類と申請方法

障害者手帳には「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者手帳」の3種類があります。以下一つずつその種類と申請方法について解説していきます。

 

身体障害者手帳

身体障害者手帳は、身体の機能に一定以上の障害があると認められた方に交付される手帳です。身体障害者手帳は、1級から7級までの区分が設けられています。7級のみでは手帳交付の対象にはなりませんが、7級該当が複数あった場合や、他の障害がある場合には交付されます。

原則、更新はありませんが、障害の状態が軽減されるなどの変化が予想される場合には、手帳の交付から一定期間を置いた後、再認定を実施することがあります。

 

申請方法は、以下の通りです。

①市町村の福祉担当窓口で申請書をもらう

②申請書・診断書・本人の写真・マイナンバーにかかる確認書類を窓口に提出して申請

・申請の際の注意点 

診断書は都道府県知事の指定医が作成したものに限られます。

・交付の目安は約1か月。

 

療育手帳

療育手帳は、児童相談所又は知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された方に交付される手帳です。

療育手帳をお持ちの方は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスや、各自治体や民間事業者が提供するサービスを受けることが出来ます。

療育手帳制度は、各自治体において、判定基準等の運用方法を定めて実施されます。

 

療育手帳の等級は、地方自治体ごとに定められており、それぞれ3~5区分に分けられています。

 

申請方法は、以下の通りです。

①市町村の福祉担当窓口で申請書をもらい、申請書・本人写真・マイナンバー確認書類・印鑑(母子手帳など)と一緒に提出して申請する。

②18歳以上は知的障害者更生相談所。18歳未満の場合は、児童相談所で判定が行われます。

・療育手帳(自治体によっては「愛の手帳」)は、先に申請、判定されてからの交付になります。

・交付の目安は2か月

 

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。

精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には、様々な支援策が講じられています。

 

精神障害者保健福祉手帳の等級は、1級〜3級に分けられています。精神疾患の状態と能力障害の状態の両面から総合的に判断されます。

 

申請方法は、以下の通りです。

①市町村の福祉担当窓口で申請書をもらう

②申請書・診断書・本人の写真・マイナンバーにかかる確認書類を窓口に提出して申請

・申請の際の注意点 

 診断書は(精神障害に係る初診日から6か月を経過した日以後の日に作成され、作成日が申請日から3か月以内のもの)又は精神障害を支給事由とした障害年金もしくは特別障害給付金を現に受給していることを証する書類(年金証書等)の写しでも可

 診断書の作成は精神保健指定医、もしくはかかりつけの精神科医。ただし、てんかんや発達障害・高次脳機能障害で他科で治療を受けているケースでは、精神科以外の医師が作成することもある

・交付の目安は約2か月

身体障害者手帳・精神障害者手帳取得のメリット

身体障害者の方が障害者手帳を取得するメリット

以下に身体障害者の方が障害者手帳を取得するメリットをまとめました。

 

①医療費・補装具・リフォーム費用の助成

・医療費助成は更生医療、育成医療(18才未満)や受給者証などがある。併用が可能な場合もある。

 

②所得税・住民税・自動車税などの軽減

・「障害者控除」、「特別障害者控除」、「同居特別障害者控除」

・相続税や贈与税でもさまざまな特例あり

 

③さまざまな公共料金の割引サービス

・鉄道、バス、タクシー、飛行機、携帯電話、各施設の入場料などの割引

 

④障害者雇用での就職・転職活動ができる

 

ただし、等級や自治体の違いにより受けられる助成内容が異なる場合もあるため、障害者手帳の交付時に配付されるガイドブックや、お住まいの市区町村の障害福祉窓口で必ず確認をお願いいたします。

 

精神障害者の方が障害者手帳を取得するメリット

以下に精神障害者の方が障害者手帳を取得するメリットをまとめました。

 

①医療費の助成

精神通院医療がありますが、こちらは必ずしも手帳を持っていないと受けられないわけではありません

 

②所得税・住民税・自動車税などの軽減

・「障害者控除」、「特別障害者控除」、「同居特別障害者控除」

・相続税や贈与税でもさまざまな特例あり

③さまざまな公共料金の割引サービス

・鉄道やバスなど、公共交通機関の割引サービスは身体障害者や知的障害者に限られるケースが多かったが、精神障害者も運賃割引の対象とする交通事業者が増えてきている。

④障害者雇用での就職・転職活動ができる

 

ただし、等級や自治体の違いにより受けられる助成内容が異なる場合もあるため、障害者手帳の交付時に配付されるガイドブックや、お住まいの市区町村の障害福祉窓口で必ず確認をお願いいたします。

障害を持つ人が選べる働き方

オープン就労

オープン就労とは、相手先や周囲に病気や障害を持っていることを開示して、就職活動や就労を行うことです。基本的には障害者雇用枠での就労になりますが、一般枠を利用してのオープン就労も可能です。

障害者の就労に関する福祉サービス(就労移行支援事業)から、就職までのサポートを受けられるため、採用されやすくなります。

また、就労移行支援事業で、就職後の定期面談を含む職場定着支援も受けることができたり、職場などの周囲からのサポートも受けやすくなったりするため、定着率が高くなる傾向にあります。

障害者枠の応募には障害者手帳が必要で、募集している職種の選択肢が少ないことや、募集の枠が少ない、給与水準が低いことなどがデメリットになります。

関連記事:障がい者のオープンポジション求人とは? 用語の意味や面接のポイントについて解説

クローズ就労

クローズ就労とは、相手先や周囲に病気や障害を持っていることを隠して、就職活動や就労を行うことです。

一般枠での就職になるので、障害による採用の制限を受けることはありません。募集している職種や求人数が豊富で、キャリアアップもしやすくなるでしょう。給与水準も高い傾向にあります。

しかし、実際に働き始めると、相手先や周囲からは理解や配慮を得られなかったり、そもそも病気や障害を持っていることを隠しているという不安感から、疲労やストレスを感じやすい状況になってしまいます。二次障害を発症してしまうこともあるかもしれません。

また、障害者の就労に関する福祉サービス(就労移行支援事業)からのサポートは、職場までは届かず、そこもデメリットになります。

 

セミオープン就労

セミオープン就労とは、一般枠で就職活動し、一部の人(上司や同じ部署内の人など)にのみ病気や障害を明かす働き方のことです。

一般枠での就職になりますが、一部とはいえ周囲の理解を得ることは出来ますので、無理なく働き続ける環境を得ることは可能かもしれません。

責任のあるポジションに付けるなどでキャリアアップしやすく、オープン就労と比べて、給与水準も高くなりやすいです。

しかし、望んだ全ての合理的配慮をしてくれる企業はかなり少なく、オープン就労と比べると自身への負荷はかなりかかってしまうことになるでしょう。

そもそもセミオープン就労を受け入れている企業がかなり少ないことや、セミオープン就労に対して設定する合理的配慮の基準は企業によってかなり異なることもデメリットになります。

障害者手帳なしで働く方法はあるのか

一般枠で事前に申告する

手帳なしの場合は、障害者雇用で働くことはできないので、一般枠で応募することになります。一般枠に応募する際には、事前に企業に病気や障害の症状や特性を申告しておくと、採用された際に、企業側から合理的配慮を受けることが出来るかもしれません。

しかし一般の方と比べて出来ることの差が開き過ぎていたり、企業側で対応が難しいという判断がなされると、採用されにくくなってしまうかもしれません。

 

就労移行支援事業を使って就職

就労移行支援事業とは、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつで、一般企業への就職を目指す障害のある方を対象に、就職に必要な知識やスキル向上のためのサポートをおこないます。学校のように通いながら就職に向けたサポートを受けることができる場所です。

個別の支援計画に沿って、他の利用者と一緒に就職に役立つ知識や必要なスキルを学ぶこと、就職の準備をすること、就労支援員に就職や体調に関する相談することなど、必要なサポートを受けることができます。

対象になるのは、一般企業に就職したいと考える65歳未満の身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病のある方です。

 

利用期間は原則2年間。2年間必ず在籍しなければいけない訳ではなく、半年や1年など、様々です。期間の長さも含めてスタッフと相談しながら目標に向けて一緒に課題に向き合い就労を目指していきます。

 

利用料金は、生活保護受給世帯と市町村民税非課税世帯が負担上限月額0円。その他市町村民税課税世帯は、課税額や状況によって負担上限月額9,300円と負担上限月額37,200円の2種類になります。

 

 

働きやすい職場探しはディンプルチャレンジがおすすめ

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